ウェブの終焉、私的なものへと変更を迫られた巨人たちのアルゴリズム

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最近の[p2p type=”post_tag” value=”google”]Google[/p2p]や[p2p type=”post_tag” value=”facebook”]Facebook[/p2p]のアルゴリズムの変更には従来のフィルター・バブルとは違う問題が起きています。検索結果やニュースフィードが個別化されるだけでなく、ユーザーとの人間関係上の関連度が低いと計算されたものの表示を少なくしたのです。Google検索では、Google+でお友だちになっているユーザーの投稿が上位にあらわれだし、Facebookのフィードでも友だちやイイネ!を直近で押したページの投稿がこの数週間でやたらと長く停滞するようになったとわたしには感じられます。

インターネットの巨人たちのこうした方針転換は、昨年の初夏よりはじめられた[p2p type=”post_tag” value=”edward-snowden”]エドワード・スノーデン[/p2p]のいち連の内部告発、プライバシー保護を謳った写真共有アプリ[p2p type=”post_tag” value=”snapchat”]Snapchat[/p2p]の若者のあいだでの流行、Googleの最高経営責任者エリック・シュミットによる[p2p type=”post_tag” value=”social-media”]ソーシャルメディア[/p2p]戦略の失敗発言、FacebookのWhatsApp高額買収などと地続きであり、彼らの結論を意味します。つまり、公的空間としてのウェブの時代は終わり、私的領域の敷居の低さがこれからの公式の価値基準になるのです。

(スライドの月間アクティブユーザーの数字はこちらを参照

ネットサービスの〝ルール〟は、システム変更によって突然変わる。だが大抵は、そもそものルールも、それがどう変わったのかもわからぬまま、どこかで誰かが思いもよらぬダメージを受ける。

そして、ネット社会のインフラと化した巨大サービスが、それを具体的に説明することはまずない。

ネットで先週、そんな不可解な事例が相次いだ。

オークションの「イーベイ」はグーグルでの順位を大幅に下げ、出版社の「アシェット」はアマゾンから〝締め上げ〟を受け、そしてフェイスブックがメディアに逆上する――。

共通するのは、いずれもネットを席巻する巨大サービスの〝ルール〟にまつわるということだ。

via 「ルールは突然変わる」グーグル、アマゾン、フェイスブックの危険度 | 平 和博.

昨年のPC出荷台数は、前年比で10%減少という記録的な下落を示したと、複数の調査会社が報告している。これは、過去最大の急激な落ち込みだ。

スマートフォンやタブレットがこの世界を支配しているいま、「死んだ技術」となろうとしているのはノートパソコンとデスクトップだけではない。「ウェブ」も道連れになる可能性がある。

「PCの終わりはウェブの終焉でもある」と考えているひとりがキース・ラボイズだ。

コンピューター利用の主要な方法として、アプリと親和性の高いモバイル機器が主流になるにつれて、古き良きブラウザーが無意味になってきた。ハイパーリンクされ、誰でもいつでもどこからでも平等かつ自由に利用できるワールド・ワイド・ウェブは徐々に消えていくだろう。その代わりデジタル世界は、より自己完結性の高い個々のアプリのドメイン内で生じることになる。アプリの作成者たちが自分のアプリをモバイルOSに柔軟に組み込む力をもつ世界であり、その力は平等ではない。強い者も弱い者もある。そういう世界だ。

また、発展途上世界の多くの場所では、インターネットを完全に飛ばして、ウェブを使わないモバイル世界に直接入っていく、「リープ・フロッギング」と呼ばれる現象が生じている。こうした地域では、ブロードバンドでのPC利用のサポートに必要な大規模な物的インフラがなく、モバイルのほうが参入コストが安いのだ。

世界人口の多くの部分、そして、先進国の小学生など、たくさんの人々は現在、ネイティヴなモバイルアプリでネットを体験しているのだ。ブラウザーは、たくさんある接続方法のひとつにすぎなくなった。

われわれが失いつつあるのは「オープンさ」だ。ウェブでは、誰もが何でもほとんど無料で公開できた。それらはどのマシン上であっても、ほとんど同じかたちで表示された。こうした性格が、初期のネット利用者にとっては魅力だった。

via 「PCの死」と「平等なウェブ世界の終焉」 « WIRED.jp.

以前書いたように(ビルボードジャパンの挑戦と限界、情報環境を編集するデジタル時代のサバイバル術)、ソーシャルメディア全盛期以後の情報リテラシーはたんなる情報検索や収集、選別だけでなく、[p2p type=”post_tag” value=”twitter”]Twitter[/p2p]やFacebookなどの身近な情報環境をいかに有効に偏向させるかのメタ的な情報調整能力を要します。もちろんそれは、フィルターバブルであらわされるアルゴリズムの個別化やレコメンデーションサーヴィスといかに距離をとり賢く利用するかという課題も含んでいたのですが、この数週間で状況は変わり、巨人たちはアルゴリズムの公共性をあからさまに放棄しだしました。

雲行きが怪しくなったのは、[p2p type=”post_tag” value=”america”]アメリカ[/p2p]の若年層がFacebookから時間制限付きの写真共有アプリSnapchatに逃げこみ、エドワード・スノーデンの内部告発でIT企業の透明性が急速に疑われはじめてからでしょう。何故かはわかりませんが、日本国内ではスノーデンの暴露問題がさほどの議論を呼ばず(「マーク・ザッカーバーグが語るアメリカの情報監視体制の暴露の意義」)、中川淳一郎氏の『ウェブはバカと暇人のもの』にみられるようにこの国ではウェブに公共性を求めも守りもしてこなかったので、1990年代以降の仮想化時代をきちんと議論することは難しいかもしれません。もっともそれは、1960年代末以降のアメリカの若者文化の聖書となった[p2p type=”post_tag” value=”stewart-brand”]スチュアート・ブランド[/p2p]の[p2p type=”post_tag” value=”whole-earth-catalog”]ホール・アース・カタログ[/p2p]が日本ではほとんど知られていないように、仮想化社会の最良の精神をみないと云う意味ではいまにはじまったことではありません。

プロフィールに政治観や宗教観を、最近では56種類のジェンダーを選択できるようになったFacebookはいわば人間関係のポートフォリオであり、ハーバード大学生限定という出自をもつようにはじめは教養のある上流階級向けの社交場でした。ユーザーのフィジカルな人間関係をヴァーチャルに再構成しなおしたことにその思想的革新性があったのですが、これにまっこうから否を唱えたのがTwitterとGoogle+です。後者は、Facebookが依拠したフィジカルなリアリティをあっさりと切り捨て、国や性別、年齢を問わず、趣味の重なるコミュニティ内ではだれとでも気軽に結びつきあえるヴァーチャル・リアリティ特化型にその新しさがありました。

Twitterは、名門大学のエンジニアがあつまるGoogleや、ハーバード大学の仮想サロンであったFacebookとは違い、シリコンバレーに夢を掴みにやってきた貧乏ハッカー集団の苦肉の発明であったことに特徴があります。つまり、140字以内という厳しい字数制限は自然と敷居の低い方向へ、カジュアルで粗野なものへと表現を押しもどすように働いているのです。コミュニケーションツールとしては、Twitterの歴史から消された共同創業者[p2p type=”post_tag” value=”noah-glass”]ノア・グラス[/p2p]が、当時の妻や同僚との関係が致命的に破綻したなかで、人間の深い孤独を癒し新しい結びつきを生みだすものとして発明したこと、そして、ノアに継ぐ最高経営責任者であり、Bloggerで既に成功をおさめていた[p2p type=”post_tag” value=”william-evans”]ウィリアム・エヴァンズ[/p2p]の強い公共性とパーソナル発信の精神が皮肉にも奇妙に混じりあっていたことに大きな魅力がありました。少なくとも、2010年のエヴァンズ追放後、プロフィールのレイアウトを大幅に変更した今年の4月にいたるまでは。

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eMarketerの調査報告書によると、今ではスマートフォンやタブレットのアプリからいろんなものを検索する人が増えているという。そのことは、GoogleやBingやYahooなどの大手検索エンジンにとって、売上シェアの深刻な減少を意味している。

この報告書によると、Googleのモバイル広告の売上シェアは2012年から2014年までで17%も減少した。2年前にこの検索巨人は22億4000万ドルの検索市場の82.8%を保有していた。今年の合衆国のモバイル広告市場は177億3000万ドルという巨額で、そのうちのモバイル検索広告はその約半分の90億2000万ドルだったが、Googleのマーケットシェアは65.7%に落ちた。

ものごとを探すときに、これまでのようにデスクトップで検索エンジンを使う、という形から、スマートフォンで探す形に変わりつつあるのだ。同時にまた、検索のやり方も多様化している。Googleは何でも探せる汎用検索エンジンだが、どこが良いレストランか、今欲しいものをいくらぐらいで売ってるか、などは教えてくれない。だから旅行の情報を探すならKayakなどのアプリを使った方がよい。家を探すならTrulia、地元のお店や企業を探すならYelp、等々となる。そこで、検索エンジンからアプリへ、という移行が起きつつあるのだ。

eMarketerの報告書によると、ローカル検索の伸びが著しい。広告収入の成長率では、Yelpが群を抜いている。Yelp上の地域のお店や企業にに対する検索は今年の成長率が136%、モバイル広告の売上が1億1900万ドルという予想だ。GoogleやYahoo、Bingなどの広告売上に比べると微々たる額だが、消費者の行動が明らかに変わりつつあるサインだ。2016年では、Yelpの広告売上シェアが2012年の3倍強という予想に対して、Googleの売上シェアは64.2%に落ちる。

via Googleなどの大手検索エンジン、深刻な売上シェアの減少。検索に取って代わりつつあるニッチなアプリ | TechCrunch Japan.

1992年、[p2p type=”post_tag” value=”world-wide-web”]World Wide Web[/p2p]と同時期に出発した[p2p type=”post_tag” value=”european-union”]欧州連合[/p2p]は、以前書いたように(「EU懐疑派の躍進、英国独立党ナイジェル・ファラージェとポデモス党パブロ・イグレシアス」)、欧州各国のさまざまな懐疑派勢力の台頭によってその存在意義に厳しい異議が突きつけられています。英国独立党は違いますが、スペインの新興政党ポデモスやギリシャの急進左派連合シリザなどは明確に反グローバリズムを唱えており、こうした内向きの幸福追求の動きは、Facebookの公的な関係からSnapchatやLINEといった私的な関係でおこなうモバイルアプリに若年層ユーザーが急速に流れている動きと踵を接するものでしょう。(参考:

今回のGoogleのアルゴリズム変更は時代に対するヴァーチャル世界の敗北宣言にほかなりません。とはいえ、彼らをはじめ、以前書いたように(「3Dプリンティング技術の未来ともの作りのパーソナル化革命」)、現在IT企業は独自の[p2p type=”post_tag” value=”big-data”]ビッグデータ[/p2p]をもちいた知識創出や仮想化を超えた物理的現実への新規参入をはじめています。ウェブの終焉と、仮想世界を作りあげ革新を起こし続けてきたリアリティの物質や生命、製品、社会制度をリプログラミングする近未来とのはざまこそが、今、わたしたちがたっている急速な時代変化のスポットなのです。

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Chika Hitujiya

I'm Futurist, producing "Whole Earth Museum" and co-producing art project Run! Miumushi-Kun & Garapadish. This common purpose is really simple. Making you enjoy and preserving the enough requisite knowledge & things for human to survive the crisis of period.

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