EU懐疑派の躍進、英国独立党ナイジェル・ファラージェとポデモス党パブロ・イグレシアス


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5月22日から25日にかけておこなわれた欧州議会議員選挙は大方の予想を越える懐疑派躍進の結果となり世界を驚かせました。ウクライナはすでに内戦状態に突入し、天然ガスから宇宙開発事業までのさまざまな問題を含みながら世界の地政図を書き換えている[p2p type=”post_tag” value=”russia”]ロシア[/p2p]は(「プーチン政権の手を完全にはなれたウクライナの暴動は何を意味するか?」)、29日、旧ソ連構成国のカザフスタン、ベラルーシ両国首脳とユーラシア経済同盟発足の条約に正式調印しています。

アジアでは、26日に[p2p type=”post_tag” value=”india”]インド[/p2p]の[p2p type=”post_tag” value=”narendra-modi”]ナレンドラ・モディ[/p2p]が新首相に就任し(「セブンプレミアム戦略とナレンドラ・モディ新首相を押しあげたインド国民の消費欲望)」)、30日のシンガポールで催されたアジア安全保障会議では、日本の安倍首相が中国と領有権問題でもめているヴェトナムやマレーシアへの支援を表明し賛意を得られるなど、混迷を極めるアジア情勢のひとつの基点となりうる出来事がありました。(参考:) 仮想化時代の終焉にあたり、国際社会は秩序の再編成に向かって現在激しく動いています。

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日本がある日、中国の1地方に組み込まれ、自分たちが選んだわけでもない北京の官僚の支配下に入ると、想像してみてください。日本人は、あまりハッピーじゃないですよね。実際には、きっとかんかんでしょう。

私たち英国は40年前、いわゆる単一市場の組織に参画しました。車も、ワインも、チーズも、ボクシングの用具も、税金なしに売買できることを目指した組織でした。それが今、どうなったか。政治統合を目指すなどと言い出し、私たちの法律の75%を制定してしまい、「ポンド」や「オンス」でなく「キログラム」を使えと指示してくるんですよ。今や、国内のあらゆるものが、ブリュッセルでつくられる法律の影響を受けてます。しかも、そのような法律をつくるのは、市民が選んだわけでもなく、気に入らないからといって追い出すこともできない、EU官僚たちなのです。

欧州各国では、労働賃金も、人々のメンタリティーも、想像以上に異なっています。なのに、それをひとまとめに「新しいソ連」に押し込めようとする。人間の特性ってものがわかってないんじゃないですか。

第2次大戦以降、世界のどこでも、新しい国が誕生し続けています。国家の自立を目指す動きが強まっているのです。ユーゴスラビアは小さな国に分かれてしまったじゃないですか。我が英国でも、スコットランドの独立を巡ってせめぎ合いが起きているほどです。

だけど、欧州の時間の中では、逆のことが起きている。大勢の流れに反して、官僚組織が一丸となって国民国家を廃止し、欧州アイデンティティーをつくろうと躍起になっている。そんなこと、うまくいくわけがありません。すでに経済だって崩壊しています。単一通貨ユーロは、欧州の北と南を分断しました。ベルリンの壁がかつて、東と西を分断していたのと同じように。

スイスを見て下さい。スイスは小さな国で、EUにも入っていない。それでいて、日本との間で経済連携協定をちゃんと結んでいる。バローゾもファンロンパイもいなくても、貿易交渉はできるのです。

私は決して、反欧州主義者ではありません。欧州や欧州人を嫌っているわけでは全然ない。私の妻は欧州人だし、私は美しいストラスブールが大好きだ。私はただ、「欧州」という言葉がハイジャックされたと感じているのです。彼らが言う「欧州」は、私には「欧州」だと思えない。「欧州」の名の下に、誰も同意していないことがなされているのが現状です。

欧州のアイデンティティーは多様です。ひとつではありません。

via 「EUは死につつある」/ナイジェル・ファラージ欧州議会議員、英国独立党党首 未確認政治物体EU — 朝日新聞GLOBE.

欧州議会議員選挙は、国政に直接反映されないこともあってか各国の投票率は総じて低く、懐疑派政党の席巻といってもあくまで全体の2割強の議席数を獲得したに過ぎません。(参考:) しかし、今回の選挙結果を各国の政府首脳は重く受けとめており、経済政策などの見直しをあらためてはかる動きが起きているのですが、日欧のメディアの違いを問わず、今回躍進した懐疑派といわれる各国の政党にもう1歩踏みこんで適切に腑分けしえた記事はなぜか見当たりません。

ポピュリストや極右・極左という否定的なことばで懐疑派をひと括りにした記事が散見されます。しかしこれは、[p2p type=”post_tag” value=”european-union”]欧州連合[/p2p]を暗に善であると決めつけた現状維持の捉えかたに過ぎず、懐疑派の主張や投票の結果を真摯に受けとめた公平なものではないでしょう。人種差別的発言や政策をおこなっている排外主義の政党と、何らかの理由で欧州連合主導の移民政策に疑問をぶつけている政党とでは知性の観点からいってまったくの別物です。もちろん、好悪や善悪を超えた実証的な知性で動けない政治家は無能以外のなにものでもありませんから、前者と後者を分けないことは糞と味噌を混ぜあわせるようなものでしょう。

以前書いたとおり(「極右政党の躍進と奇跡を起こす壊し屋、仏国民戦線とイタリア新首相マッテオ・レンツィ」)、[p2p type=”post_tag” value=”france”]フランス[/p2p]第1党にのしあがり、今回の政治的地震の震源地となった国民戦線党首マリー・ル・ペンは典型的な極右政治家で、流石にこれは危険だといわざるをえません。[p2p type=”post_tag” value=”italy”]イタリア[/p2p]では、マッテオ・レンツィ首相の中道左派・民主党が歴史的大勝をおさめ、レンツィの大胆な改革がイタリア国民から強い支持を受けていることを内外に示しました。これは、素直に良かったと云えることです。

そして、イタリアをはじめ、ギリシャ、スペインといった南ヨーロッパの深刻な経済危機と失業問題を抱える国で躍進した懐疑派政党に共通するのは欧州連合、正確にはドイツ主導の財政緊縮への反対路線です。スペインでは、マドリードのコンプルテンセ大学で政治学を教えていたパブロ・イグレシアス率いる左翼政党ポデモスが、インターネットを基盤にした選挙活動とマスメディアでの公開討論が奏功し、結党からわずか3ヵ月で第4党の位置につけました。もちろん、ポデモスの多少なりともユートピア的な政策が現実問題としてどこまで有効なのかは専門的な議論を要しますが、しかし、イグレシアスのインタビューからはある程度の知性の複雑さが感じられます。(参考:

問われているのは、結果的に景気の悪化という悪循環をもたらしてきたドイツ主導の財政緊縮がいまだに何故修正されないままなのかと欧州連合の思想的再検討です。この点を強く批判しているのが、[p2p type=”post_tag” value=”united-kingdom”]イギリス[/p2p]独立党[p2p type=”post_tag” value=”nigel-farage”]ナイジェル・ファラージェ[/p2p]です。少なくとも、上記引用のインタビューからはきわめて進歩的な知性の輝きが感じられますし、多くのメディアが英国独立党を極右や反移民に分類するのに反し、実際には柔軟(あるいは曖昧)で、なによりも、国民戦線のル・ペンなどとは一線を画す厳格な現実主義者であることが政治家として高く評価できるでしょう。(参考:

もっとも、ジュディス・バトラーやスラヴォイ・ジジェク、ジャン=リュック・ナンシーといった左翼系知識人たちが表明しているように、欧州連合懐疑派のなかでも、英国独立党と、スペインのポデモスやギリシャのアレクシス・ツィプラス率いる急進左派連合(シリザ)とでは経済政策の面で明確に線引きできます。(参考:) とはいえ、情報を調べながらここまで書いてきたのですが、ヨーロッパにはどうもEUへの異様な幻想があるように思えます。(参考:) 何故にここまで欧州連合の「統一」は是とされなくてはならないのか? この秘密は暴かれなくてはなりません。

1.国民戦線 マリーヌ・ル・ペン

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2.デンマーク国民党 ピア・グラスゴー

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3.急進左派連合 アレクシス・ツィプラス

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4.ポデモス パブロ・イグレシアス・テュリオン

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5.英国独立党 ナイジェル・ファラージェ

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6.欧州委員会委員長 ジョゼ・マヌエル・バローゾ

Barroso

7.初代欧州理事会議長 ヘルマン・ファン・ロンパイ

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Chika Hitujiya

I'm Futurist, producing "Whole Earth Museum" and co-producing art project Run! Miumushi-Kun & Garapadish. This common purpose is really simple. Making you enjoy and preserving the enough requisite knowledge & things for human to survive the crisis of period.

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