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ウクライナは東部ドネツク州の都市で庁舎などを占拠している反政府武装勢力に対し、本格的な強制排除に乗り出した。ウクライナ政府は反政府勢力の中にロシアの特殊部隊が含まれていることが確認されたとしている。

ロシアのテレビ局によると、ウクライナ軍はクラマトルスクの空港を奪還、その際に武装勢力の4—11人が死亡、2人が負傷した。ウクライナ軍は装甲兵員輸送軍を配備し、スラビャンスクへの道路を全て封鎖していると、ロシア通信(RIA)が親ロシア勢力の一員を引用して報じた。

ウクライナのヤレマ第1副首相はチャンネル5で、ロシア空挺軍の部隊が両方の都市で目撃されたと述べた。

反政府勢力との戦いはロシアとの緊張を高める恐れがある。北大西洋条約機構(NATO)によれば、ロシアは約4万人の兵力をウクライナとの国境沿いに集結させている。

via ウクライナ:分離派の排除に本腰、ロシア特殊部隊の存在確認 – Bloomberg.

STAP細胞騒動の渦中にある小保方晴子さんの会見や弁護士を通じての戦略的でかつ多量な燃料投下で日本は未だにこの話題でもちきりですが、世界最大規模といわれ、マンモハン・シン体制以後のインドのゆく末を決定づけるインド総選挙は既にはじまっており、ウクライナをめぐる政治問題も沈静化するどころかあらたな局面に突入しています。以前書いたとおり(「STAP細胞騒動とマレーシア航空機遭難事件にみられる腐敗と混沌の情勢」)、小保方問題は、日本の前近代的な暗さがよくあらわれていると云う意味では興味深いですが、世界的な視野にたてばさほどの影響力はないとひとまずはいえるでしょう。

もっとも、以前別の記事で紹介したクマムシ博士こと堀川大樹さんは(「相互扶助感情とグレート・リセット、クマムシ博士に書評を拾っていただきました。」)、小保方さんの側の主張が法廷の場で認められるような場合には「日本の科学が終焉を迎える瞬間になるかも」しれないとひじょうに正当な危機感を募らせています。実際、今度の騒動で日本の科学技術や研究機関に不信感をもらしている海外の書きこみや報道も少なくありませんし、今日の日本全体がそもそも近代法を理解していない(で「世間」という別の鏡像的な集団原理で動いている)ことは世間学者の佐藤直樹さんがすでに指摘されています。

そのうえ、即断を許さないものではありますが、会見後の小保方さんを支持し応援するつぶやきは批判したものよりも2倍以上多かったことを示すデータもだされており(参考:)、以前別の記事でとりあげたように(「環境順応型知性、周囲からの「期待」に圧し潰れる韓国の自殺者たち」)、人格の問題としてはひじょうに根強く幼い共感の知性でものごとをみているひとたちの層と厚さがよく可視化されています。そしてこのことは、現在の国際情勢や世界の国内情勢で起こっていることとかならずしも無縁ではありません。

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ロシアによるクリミア編入と現在ウクライナ東部で起きている状況には重大な違いがある。これは、ロシア政府がクリミアで採用した路線を修正し、異なる結果を追い求めている可能性を示唆している。

ロシア専門家によると、プーチン大統領はもっと控えめな目的を持っている可能性がある。すなわち、ウクライナ暫定政府と西側諸国に、ウクライナ東部地域の自治権拡大を付与する新憲法を受け入れさせ、ロシアの影響力後退を阻止することだ。

英国の元駐ロシア大使、トニー・ブレントン氏は、BBCに対して「ウクライナ東部は歴史的にも、編入の可能性という点でも(クリミアとは)完全に違っている。土地はずっと広く、親ロシア派はずっと少ない。ロシアが接収して保有するのはより困難になり、クリミアと同じことをやるつもりはないと確信している」と語った。

ロシアとしては、5月25日に予定されるウクライナの大領領選に影響を及ぼそうという狙いもあるだろう。

via 焦点:ロシア、ウクライナ東部の編入は狙わない可能性 | Reuters.

以前書いたように(「宇宙開発事業と天然ガス資源、クリミア問題をめぐる世界情勢の深層」)、今回のロシアの動きをアメリカ政府や識者が安易にいうような19世紀的帝国主義や冷戦構造の復活とする見方にはきわめて否定的です。というのも、侵攻当初から事前に計画していたとはおもえない証拠があったこともそうですが、以前書き留めておいたロシアの国内情報監視体制の計画と情熱の凄さからもわかるとおり(「ビル・ゲイツが語るスノーデンの暴露問題とロシアの情報監視体制」)、今日の現実は情報化時代のきわめて微細なリアリティで当然のように展開されており、辣腕の指導者がものを云った近代とそれ以前の時代の単純さとは似て非なるものだからです。

実際、 天然ガスの輸出入をめぐる問題によってドイツをはじめとするEU諸国はロシアに決定的な制裁を打ちだせていません。もちろん、ロシア経済にとってもこの駆けひきは死活問題なので、国内世論の動きを別にすれば必要以上に欧州とことをあらだてる利点はないでしょう。また、国際宇宙ステーションをはじめとする宇宙関連事業ではアメリカと相互協力、相互依存の関係にありましたが、アメリカが果敢にもロシア政府関係者との協力関係を部分的に停止する通告をNASAにだしたため、ロシアはエネルギー問題に続きこの分野でも中国との協力関係を密にするよう動いています。(参考:

ふつうにいえば、ウクライナ動乱以後のロシアと中国の多分野にわたる急接近は共通のルーツにもとづいた冷戦構造の復活にみえますが、世界最大のエネルギー消費国として、また、以前少しふれたように(「検証思考の欠落、ドイツの再生可能エネルギー法の破綻と中国のトリウム原子炉建設計画の15年短縮化」)、世界第2位の経済大国であり多くの野心的な計画をぶちあげている国家として、中国がロシアの新パートナーに名乗りをあげて指名も受けることはいたって当然の流れでしょう。むしろ、今回の断交が宇宙関連事業における民間の活気や政府支援にどのような刺激や影響をあたえるかの方が、予想もつかず、未来の動きに関わる重要なポイントといえます。

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ウクライナで内戦が始まる。4月7日、ウクライナ東部のハリコフ州、ドネツク州が独立を宣言した。その後、同じ東部のルガンスク州などの諸都市で、ロシア系住民が州政府関連施設、市役所、警察署、検察庁など要所を占拠し、たてこもる事件が頻発している。

2014年3月、プーチンは世界を驚愕させた。

ウクライナ人は嘆き悲しみ、ロシア国民は喜びに沸く。「クリミア併合」で、プーチンの支持率は、年初の60%から82%まで急上昇している。ここまででも驚きだが、話は終わらない。今度は、ウクライナ東部が荒れてきた。ロシア系住民の多い、ウクライナ東部のハリコフ州、ドネツク州が4月7日、「独立」を宣言したのだ。

彼らは、「クリミア」を真似たのである。「独立宣言」の後、「住民投票」を実施し、「ロシアへの編入」を目指す。はたして彼らの願いはかなうのだろうか?ロシアは、クリミアについで、ウクライナ東部を併合するのだろうか?

2004年11月、大統領選挙で親ロシアのヤヌコビッチ(当時首相)が勝利した。しかし、「不正選挙」を非難する大規模デモが起こり、ヤヌコビッチは再選挙に同意。結果、親欧米のユシチェンコ(当時元首相)が逆転勝利した(これを、一般に「オレンジ革命」を呼ぶ)。

その後の推移について、日本ではあまり知られていない。実をいうと10年の選挙では、親ロシアのヤヌコビッチが勝利し、念願の大統領に就任している。プーチンは大喜びしたことだろう。

しかし、大統領になったヤヌコビッチは、ロシアと欧米の間を行ったり来たりしはじめた。とうとうヤヌコビッチは、EUとの関係を深化させる貿易・政治協定(いわゆる欧州連合協定)の調印を約束した。

ところが13年11月、事件が起こる。ヤヌコビッチは協定調印を「ドタキャン」し、EUを驚かせたのだ。その直後、プーチンはウクライナに150億ドルの支援と天然ガス価格の値下げを約束している。要するに、ヤヌコビッチは、プーチンに口説かれて(脅されて)変心したのだ。これに、親EUのウクライナ国民(主に西部)が激怒。首都キエフで大規模なデモが起こった。今年2月22日、身の危険を感じたヤヌコビッチは、キエフを脱出しロシアに逃亡。「革命」によって、親欧米の新政権が誕生した。

クリミア併合は、ウクライナ東部のロシア人に希望を与えた。そして、各地で、反新政権デモが起こってきた。ハリコフ州とドネツク州の独立宣言に対して、欧米メディアは「二州の背後にロシアがいて、プーチンはウクライナ東部を全部併合するつもりだ」と報じている。

しかし、プーチンは3月18日の演説で、「ロシアを利用してあなたたちを脅す人たちを信じないでほしい。クリミアのあと別の地域だと叫んでいるような人たちのことだ 」と語っている。つまり、「クリミア以外の地域を併合する意志はない」ということだ。

さらに、ラブロフ・ロシア外相は、二州独立宣言後の4月11日、「(クリミア以外の地域の編入は)ロシアの国益に反する。我々はウクライナが今の国境線で統一を維持することを望んでいる」と発言。ロシアを頼りにしていたウクライナ東部のロシア人を落胆させた。その後、彼らの要求が、「住民投票によるロシアへの編入」から「ウクライナを連邦国家にすること」に変わったことから、ラブロフ発言は本気だと思われる。

では、なぜロシアは、他の地域を併合するつもりがないのか?

ロシア帝国がクリミアを併合したのは、1783年。以後170年以上ロシアに属していた。ところが1954年、ソ連の最高指導者だったフルシチョフが、突然「クリミアをウクライナに移管する」と決めてしまった。

当時は、ロシアもウクライナも同じソ連の一部だったので問題にならなかった。しかし、ソ連崩壊後クリミアはウクライナ領になり、ロシア人はずっとそのことに怒りを抱きつづけていた。

一方、独立を宣言したハリコフやドネツクは、少なくともソ連成立以降ずっとウクライナに属していた。要するに、ロシアが両州を「わが国の領土」と主張できる根拠が乏しい。

ハリコフ州の人口は約280万人、ドネツク州は460万人。この2州を併合すると、ロシアの人口は一気に740万人増える。同時に、年金受給者が150万人ほど増えることになる。

また、併合した地域の住民がそのことを後悔しないために、莫大な投資が必要になる。クリミア併合による資金逃避と経済制裁に苦しむロシアは、この財政負担に耐えられない。

クリミアには、ロシアの「黒海艦隊」があるが、ハリコフ、ドネツクにはない。

以上の理由で、ロシアがウクライナ東部を併合する根拠もメリットも少ない。しかし、ウクライナ東部の住民たちによる暴動は収まる気配を見せず、冒頭述べたように、犠牲者も出始めている。このまま犠牲者が増えていけば、プーチンは「ロシア系住民の安全確保」を理由に、「平和維持軍」という名目で、軍事介入に踏み切る可能性も出てくるだろう。

via ウクライナで内戦が始まる 欧米vsロシア“代理戦争”の行方――国際関係アナリスト・北野幸伯|DOL特別レポート|ダイヤモンド・オンライン

クリミア併合にいたるまでのプーチン政権の思惑と内情は差しおくにせよ、程度の差こそあれ、現在のウクライナ東部における暴動はロシア政府の手をはなれたものと観る向きがアナリストのなかで拡がりつつあります。両陣営の首脳部だけは煽りあい、暴動や革命をたがいに画策していると謂わばその責をなすりつけあっていますが、親ロシア派の散漫な動きやウクライナ軍の組織的とはいいがたい寝返りかたを観るかぎりはあくまでクリミア併合に誘発された自然発生的なものでしょう。つまり、今回のあたらしい局面でもっとも微妙なバランスのとり方を問われているのは機先を制したはずのロシア政府の方なのです。

以前書いたように(「極右政党の躍進と奇跡を起こす壊し屋、仏国民戦線とイタリア新首相マッテオ・レンツィ」)、1990、2000年代のフィジカルな国籍や宗教、世代、社会階級にもとづいた多数の原理主義が幅を利かせていた時代とはことなり、今日ではそれらの条件とは無縁にひとびとが前時代的なイデオロギーに再集合をはじめています。私見では、高度情報化社会におけるイノベーションサイクルの加速化とそれにともなうひとの安寧をもとめる保守的な欲望の強化が問題なのですが(「YouTubeとFacebookの利用禁止をもくろむエルドアン首相は世界の例外か?」)、その意味では日本もふくめた東アジアの小競りあいやナショナリスティックなふるい思想の再醸成もまた、同じ時代の社会現象といえるでしょう。

興味深いことは、プーチン政権のような独裁体制においてもそうした国内外のひとの無数の欲望の連鎖や集合とは無関係でいられなくなっていることです。その点では、日本人がそもそも近代法や近代科学の原理を身につけていないこと、そして、理化学研究所がはじめから大衆向けのプロモーションをおこなっていたことと根本的にはおなじ現象のあらわれと2重の意味で云えるでしょう。

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Chika Hitujiya

I'm Futurist, producing "Whole Earth Museum" and co-producing art project Run! Miumushi-Kun & Garapadish. This common purpose is really simple. Making you enjoy and preserving the enough requisite knowledge & things for human to survive the crisis of period.
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