ビル・ゲイツが語るスノーデンの暴露問題とロシアの情報監視体制

BillGates
In an interview with Rolling Stone, Gates outlined his view of Snowden in the context of his methods, and privacy itself.

I think he broke the law, so I certainly wouldn’t characterize him as a hero. If he wanted to raise the issues and stay in the country and engage in civil disobedience or something of that kind, or if he had been careful in terms of what he had released, then it would fit more of the model of “OK, I’m really trying to improve things.” You won’t find much admiration from me.

What I find interesting about the above is that Microsoft as a company has been active regarding the NSA’s activities, and the larger surveillance state. Microsoft joined Google in suing the government for the ability to share more about governmental requests for its users’ data.

via Bill Gates Says Snowden Is No Hero | TechCrunch.

昨夜更新した記事では(「マーク・ザッカーバーグが語るアメリカの情報監視体制の暴露の意義」)、[p2p type=”post_tag” value=”edward-snowden”]エドワード・スノーデン[/p2p]の行動の是非と云う視点をすっかり忘れていたのですが、[p2p type=”post_tag” value=”world-wide-web”]World Wide Web[/p2p]の設計者[p2p type=”post_tag” value=”tim-berners-lee”]ティム・バーナーズ=リー[/p2p]への先日の質問でもなされていたように(「インターネットが人間の意識の外に消える未来、ポスト情報化社会」)、彼を謂わば非国民として観る見方も現実には存在します。私見では、スノーデンの行動を否定的に捉えるには、[p2p type=”post_tag” value=”america”]アメリカ[/p2p]国内に限られた問題と解して自国の安全保障を脅かしたと観る意識空間の狭さ、既に定められている事柄を堅実に守ろうとする良識、知りたくもなかった現実の複雑さに眼を逸らそうとする知的怠惰などの個の認識上の限界が深く関わっています。[p2p type=”post_tag” value=”bill-gates”]ビル・ゲイツ[/p2p]の場合はおそらくふたつめでしょうが、物質的空間の人間関係を情報空間にすべて移し変えるという壮大な野心で以て現在動いている[p2p type=”post_tag” value=”mark-zuckerberg”]ザックバーグ[/p2p]の凄さとはこの点で明確な違いを生んでいます。(「中国の次はFacebookとGoogleがアフリカ大陸を変える?

ところで、スノーデンが亡命先として結局選んだ(あるいは、選ばざるをえなかった)のがプーチン独裁下の[p2p type=”post_tag” value=”russia”]ロシア[/p2p]だったことはその暴露内容と同等の衝撃を世界にあたえました。現在の世界情勢を顧みれば、彼の亡命騒動もアメリカの覇権喪失ないし変貌過程のひとつにあったわけですが(「シェール革命が影を投げかける世界の政治変動とアメリカの終末感、しかし、皮肉にもと云うべきか、ロシアが先月のソチ・オリンピックに向けて構築してきた情報監視体制の強力さが米国のそれを優にうわまわるものであったことは当時は勿論、今もなおあまり知られていないことです。

以下の引用は、2月25日付けで発行された日本版ニューズウィーク誌掲載の「ソチが試すサイバー監視体制」からのひき写しです。見開き1頁程度のこの記事の主旨はわかりやすいもので、当時冬期オリンピックの熱戦が繰りひろげられていたソチは情報監視の実験場になっており、ポイントとしては、後の引用にある通信監視システムの再構築、4G移動通信システムを用いたスマートフォンの乗っ取り技術の保有、そして、2007年の旧ソ連国エストニアに対してなされた世界初の大規模サイバーテロに関与したとみられており、ロシア連邦保安局ともつながりのある悪名高いハッカー組織、ロシアン・ビジネス・ネットワークのソチ周辺における活動の再活発化です。

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ロシア連邦保安局(FSB)はここ数年、ソチに包括的な監視システムを構築する研究を重ねてきた。その中核は、ソ連時代の80年代にKGB(国家保安委員会)が開発した通信監視システム(SORM)だ。

初代SORMが電話盗聴用に開発されたのに対して、最新版のSORM3は、電話はもちろん電子メール、SNS、インターネット電話、チャットなどの電子コミュニケーションの内容を24時間、無差別かつ網羅的に収集・蓄積する。

さらにSORM3は、飛行機の乗客リストや、偵察機や街頭の防犯リストから得た情報も取り込んでいる。いわばデジタル情報の巨大収集機だ。ソチでその運用に成功したら、FSBはロシア全土に新システムを配備する計画だ。外国からも引き合いがあるかもしれない。

「SORMを使ったロシアの情報収集能力は圧倒的だ」と、ハーバード大学ケネディ行政大学院のアレグザンダー・クリムバーグ研究員は言う。「ここまで強力なネットワーク監視法を開発した国はほかにない。ロシア国内で言ったことや書いたことは、基本的にすべて当局に永久保存される」

SORMに比べれば、米国安全保障局(NSA)の情報収集プログラムPRISMなど、かわいいものだ。英王立国際問題研究所が近く発表する論文によると、PRISMは基本的に「盗聴や侵入の手段ではなく、データマイニング(さまざまな情報の関連性やパターンを見つける)ツールでしかない」

これに対してSORM3は、情報パターンだけでなく、通信内容そのものを調べることを目的としている。特定のキーワードを使って人物を割り出すことも可能だという。

以前既にすこし書いたことですが(「軍事用ロボットは戦争の何を変え、次世代ハイテク兵器は何を変えうるか?」)、前世紀以来の情報革命により戦場や戦争はわたしたちの常識以上に随分変わっており、なにより、大国間の現代戦は(サイバー空間における示威行為や仕掛けあい、機密情報の奪取を除けば)未だ起こっていないのでほとんど予想がつきません。しかし、日本国内におけるスノーデンの暴露問題の衝撃は治安維持法の再来といわれた秘密保護法案の反対運動に雲散霧消してしまった現状があります。もちろん、秘密保護法案に対してもほとんどのひとが条件反射で否を唱えるだけで、[p2p type=”post_tag” value=”china”]中国[/p2p]の潜在的脅威、日韓関係の冷えこみ、米国のアジア・ピボット戦略、そして、スノーデンの暴露以後にこの法案を無理に通そうとした安倍政権の国際感覚の欠如など、共有されるべき意見がきちんと議論された印象も残念ながらありません。

私見では、安倍首相の靖国参拝なども含めたこうしたいち連の右極化傾向は、以前書いた[p2p type=”post_tag” value=”turkey”]トルコ[/p2p]のエルドアン首相にもみられる情報化社会の成熟からの撤退であり、退行であり、世界の二極化現象のもうひとつの極における付随的な動きにほかなりません。(「YouTubeとFacebookの利用禁止をもくろむエルドアン首相は世界の例外か?」) 何を考えるにせよ、急速な過剰成長を起こしている分野や領域を的確に寄せあつめるデジタルの[p2p type=”post_tag” value=”reality”]リアリティ[/p2p]から各論的に問題を捉えなおしていくことが知的には重要なのです。
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Chika Hitujiya

I'm Futurist, producing "Whole Earth Museum" and co-producing art project Run! Miumushi-Kun & Garapadish. This common purpose is really simple. Making you enjoy and preserving the enough requisite knowledge & things for human to survive the crisis of period.

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