インターネットが人間の意識の外に消える未来、ポスト情報化社会

WorldWideWeb
3月12日はワールド・ワイド・ウェブ(WWW)の誕生から25周年になるそうだ。

米シンクタンク「ピュー・リサーチ・センター」は、この記念日に合わせて、「2025年のデジタルライフ」という約60ページにのぼる報告書をまとめた。

報告書の副題では、名だたる専門家たち約1900人から回答のあったアンケートから、2025年のインターネットは「’電力’のようなものになる――良きにつけ悪しきにつけ、より目立たず、人々の生活に深く埋め込まれたものに」とうたっている。

via ウェブ誕生25周年に2025年のネットを考える – Huffington Post Japan

[p2p type=”post_tag” value=”world-wide-web”]World Wide Web[/p2p]は、コンピューター計算機科学者の[p2p type=”post_tag” value=”tim-berners-lee”]ティム・バーナーズ=リー[/p2p]がいまから25年前に大規模集団での情報共有をめざした「文書管理システム」を提案したことにより生まれました。1980年代に欧州原子力開発機構(CERN)に籍をおいていた経緯をもつバーナーズ=リーは、数千人規模で、かつ、長期プロジェクトのためひとの出入りの多い組織でどのように効率良く情報共有をするかのシステム開発を、さらに、世界中に散らばっている大学や研究所の学者や研究者たちがいかにすばやく自動的に情報共有するかの解決策を考案する任にあったのです。結果、第二次世界大戦期の軍用科学技術開発の黒幕であった[p2p type=”post_tag” value=”vannevar-bush”]ヴァネヴァー・ブッシュ[/p2p]考案の情報検索システム([p2p type=”post_tag” value=”memex”]Memex[/p2p])に端を発するハイパーテキスト概念を実現するに至りました。

もっとも、地球規模のコンピュータネットワークと云う意味でのインターネットのヴィジョンは、マウスやグラフィカルユーザーインターフェースなど、現在のコンピュータインターフェース要素の多くをかたち作った発明家[p2p type=”post_tag” value=”douglas-engelbart”]ダグラス・エンゲルバード[/p2p]に強い影響と資金援助を与えていたコンピュータ科学者[p2p type=”post_tag” value=”licklider”]リックライダー[/p2p]が既に示しており、彼の発想に基づいて作られた[p2p type=”post_tag” value=”arpanet”]ARPANET[/p2p]が、1980年代初めまでにはアメリカを中心とする世界の数十の大学、研究所、政府機関を繋いでいました。思うにこうした歴史的経緯におけるWord Wide Webの革新は、自身のソースコードをパブリックドメインとして、すなわち、無料でだれでもそのソフトウェアの利用、開発をできるようにしたことです。

timbernerslee
World Wide Web(WWW)・HTML・HTTP・URLなどを考案し、Webの基礎を構築したティム・バーナーズ=リー氏が、Webの発明25周年を記念して海外掲示板のRedditに降臨してネットユーザーからの質問に答えています。 

02:あなたは何に対してインターネットが使用されることを予想していませんでしたか? 

子猫です。

 05:25年間でウェブは大きく成長しましたが、インターフェイスには大きな変化は見られません。どうすればインターフェイスが大きく変われるのでしょうか?

とてもいい質問だと思いますが、私には答えがわかりません。人間の目では確認できないようなピクセルに囲まれた世界こそパワフルなインターフェイスだと思います。また、インターフェイスを見たり、使うだけではなく一緒に創り出すことも大事なのではないでしょうか。 

06:あなたが小さい頃手本にしていた人物は誰ですか?

イギリス初の商用汎用電子式コンピュータ「Ferranti Mark 1」の開発チームに参加していた私の両親です。他には、私の両親と一緒に仕事をしていた人、そして数学や化学の先生ですね。 

10:エドワード・スノーデンはヒーローですか?それとも悪魔なのでしょうか?

「代替手段がなかったこと」「ジャーナリストとして活動していること」「開示する情報に細心の注意を払うために他のジャーナリストを利用したこと」「世界の利益になるような情報を供給したこと」を考えると、彼は守られるべきだし、我々は彼のような人物を守るすべを持っていなければいけません。私たちは完璧な政府のシステムを構築しようとしますが、完璧に構築できることはほとんどないのです。そういった場合、スノーデンのような告発者が社会を救う可能性があると思います。

12:インターネットに猫の写真を投稿したことがありますか?

猫はないですが、犬ならあります。

via Webの考案者ティム・バーナーズ=リーが「質問ある?」と掲示板に降臨して次々と回答 – Gigazine

ところで、ポスト情報化社会の到来を考えたとき、最初のHuffington Postからの引用にあるアメリカシンクタンクの調査報告書の副題「専門家たちはインターネットが電気のようになると予言する、すなわち、より視えづらく、しかし、良くも悪くもひとびとの生活により深く埋めこもれたものに」は、まあ、現在起こっている世界の動きを比較的良く捉えたものだと云えます。

○「[p2p type=”post_tag” value=”internet-of-things”]モノのインターネット(IoT)[/p2p]」、[p2p type=”post_tag” value=”ai”]人工知能(AI)[/p2p]、[p2p type=”post_tag” value=”big-data”]ビッグデータ[/p2p]によって世界の理解が深まる。

世界や物事に対するこうした理解や分析の深まりは既にはじまっています。10年先の社会予測において重要なのは、ビッグデータにより深く学習した人工知能や工業製品がわたしたちの行動をかなりの程度で規制するようになることです。現在既に金融業界で、また、ウェアラブル機器を通じて医療、健康分野でこうした動きが起こっていますが、もっと人間臭い領域、例えば政治などにビッグデータとアルゴリズムがどこまで介入するようになるのかは微妙な問題です。

×人々は利便性を求めてプライバシーの妥協をするようになるだろう。そしてプライバシーは高所得層だけが享受するものになる。

[p2p type=”post_tag” value=”edward-snowden”]エドワード・スノーデン[/p2p]がアメリカの情報監視体制を暴露した直後、米国内の世論は完全にふたつにわかれていました。そして、非組織的な単独テロの脅威がますます高まるであろう今後はいずれプライバシーと云う情報世界の安寧を手放さざるをえなくなるとたしかに僕も思います。しかし、[p2p type=”post_tag” value=”snapchat”]Snapchat[/p2p]の流行でわかるとおり、人間のプライバシーに対する欲望はすくなくとも当分はビジネスチャンスとしてあるかぎり、比較的安価な技術でそうしたサーヴィスを多くのスタートアップが高所得層向けにかぎらず提供するのではないでしょうか。むしろ、10年後の社会において深刻な問題になるのはセキュリティ対策です。

×持てる者と持たざる者の格差が危険なまでに拡大し、不満や暴力につながる可能性がある。

同意しますが、従来通りの「持てる者と持たざる者」と云う格差の分けかたは現在急速な再編成の動きに見舞われています。現在の先進国は、近い将来「旧先進国」と呼ばれるようになるでしょう。

○〝ウーバーネット(超ネット)〟の広がりによって、国境の意味が薄れ、関心を共有する人々の新たな〝国〟が生まれ、従来の国家の管理能力を上回っていく。

×これらの変化に対応するため、政府や企業は権力の行使をより確かなものにしようとする。

近頃の[p2p type=”post_tag” value=”bitcoin”]ビットコイン[/p2p]の熱狂の渦とMt. Goxの経営破綻に快哉を叫んでいるひとたちのあいだにはこうしたデジタル・リアリティに基盤を置き換えたひとたちと、従来通りのフィジカル・リアリティに基盤を置いたままのひとたちとの調停不可能な知性や教養、経験の対立があります。2020年代以降、未来の先進国があたらしい時代に入りきらないかぎりは決着の着かないものでしょうが、そのためにはまず、政府がこうした革新的な技術やシステムに対し法整備を通じたモデルチェンジを絶えずおこないたがいの利益に変えていくことが重要です。その結果、従来の国家のオルタナティブなデジタル組織がどのように出現してくるかはわかりませんが、[p2p type=”post_tag” value=”america”]アメリカ[/p2p]と[p2p type=”post_tag” value=”russia”]ロシア[/p2p]の情報監視体制のことを考えると、今後はその重要度がますます高まっていくことは疑うべくもありません。

×今の通信ネットワークがもたらしている大規模な変化にほとんどの人がまだ気づいていない。そして、ネットワークは将来的にさらに破壊的な変化をもたらす。

以前から書いていることですが(「震災の避けがたい忘却に遺す幾つかの思考)、完全にこの点には同意します。日本は特に酷いのではないでしょうか。

×人々や組織は、複雑なネットワークによる変化に迅速に対応することはできないだろう。

組織や集団以前にそもそも人間の個がこの加速度的な技術進歩に対応していけるのかと云う問題があります。勿論、1968年以降の問題としてほとんどのひとはすでに時代に随いていけていないと云う答えがでているのですが、知性や教養の頂点にいるようなひとたちにも不可能かと云うと、僕はそこまで悲観的なビジョンを抱いていません。もっとも、未来学者の[p2p type=”post_tag” value=”ray-kurzweil”]レイ・カーツワイル[/p2p]が「ポスト・ヒューマン」と云うことばで表現しているとおり、次世代の先駆者たちは機械やインターネット、人工生体組織と融合した存在に至り、老年学者の[p2p type=”post_tag” value=”aubrey-de-grey”]オーブリー・デ・クレイ[/p2p]の理論に基づいてほとんど不老不死の存在になっているのかもしれません。

その意味で云えば、現在世界で過熱しているウェアラブル競争も、人間の皮膚の下やあいだに潜りはじめてからがダウンサイジングの第3波としては本番かなという感じですかね。
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Chika Hitujiya

I'm Futurist, producing "Whole Earth Museum" and co-producing art project Run! Miumushi-Kun & Garapadish. This common purpose is really simple. Making you enjoy and preserving the enough requisite knowledge & things for human to survive the crisis of period.

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