あなたの出逢いを定めている類人猿のコミュニケーション類型

bonobo
アルバータ大学のマシュー・ジョンソン准教授が率いる研究チームは、人生で3つの異なるステージにある2970名の人を調査した。その結果、調査対象者の保護者との関係が、現在の彼らの恋愛関係の質と直接関連していることがわかったという。

「人々は、それぞれの人間関係を個別に考える傾向があり、家族関係対夫婦関係など、ある種類と別の種類の人間関係の間にある関連性を見ようとはしない。だが、保護者との関係における自分のあり方を、パートナーとの関係においても、良い方向でも悪い方向でも再現してしまう傾向がある。これを理解することが重要なのだ」

via 「恋愛がうまくいかない」原因は、親との関係?.

私見では、対人関係の成就や破綻に深く関わるのは、環境、人格、[p2p type=”post_tag” value=”communication”]コミュニケーション[/p2p]の3つの次元における両者と組織の絡みあわせです。もっとも、環境は人格をある程度規定し、人格はそのひとたちのコミュニケーションの質をある程度決定付け、コミュニケーションはそのひとのまわりの人間関係を不可避的に織りあわせると云う意味ではそれぞれが相互に浸透しあっており、複雑で、たんにざっくりと、 思春期の親子関係が重要だと云いたくなる気持ちもわからないではありません。

環境は、まず、日常的にもちいられている、家庭環境、社会環境としての意味のちいさなものから、個人史的な時間軸をふくめたそれぞれの来歴、さらに、ロミオとジュリエットに典型的な家や社会といった歴史的な厚みのあるものまでが環境として関わってきますが、社会的マイノリティーに属するひとや優れた文学的直観を備えたひとでもないかぎり、個を規定する環境の問題に恋愛ごとで意識的に苦しむひとはほとんどいないでしょう。

人格は、じぶんが、あるいは相手が、相互が、どのようして相手に真実を見出し欲望するかという本来の恋の意味において、また、両者がどのような関係を今後築いていけるかと云う普遍的な対人関係の意味においてきわめて重要です。しかし、この問題はどちらの意味においても相互の絡みあわせという関係論的視点を基盤にしないと、引用の研究者のようになにもいっていないに等しいことになります。片方の人間の要因だけで関係という別の質がきめられるほど、問題は単純ではないのです。

コミュニケーションは、かなりのひとがいわば技術のひとつだと考えている節があり、もちろんそれもまたひとつの事実に変わりはないのですが、発達心理学者の下條信輔さんが、赤ちゃんの心の発生の鍵は「対人関係の鏡像性」に、すなわち、「相手を、自分と同じ『反応する者(レスポンシヴな存在)』としてみること、またそのことが互いの反応(レスポンス)の引き金になるということ」にあると喝破したとおり、わたしたちは技術以前に、生まれながらにして、レスポンブル、コミュニケイブルな存在と云えます。

もっとも、動物や植物、無機物と愛情をもって向きあったことがあればわかることですが、コミュニケーションという共感能力はもちろんヒトにだけゆるされているものではありません。[p2p type=”post_tag” value=”dolphin”]イルカ[/p2p]や[p2p type=”post_tag” value=”elephant”]ゾウ[/p2p]もそうですが、この観点からもっとも学術的な注目をあつめているのは[p2p type=”post_tag” value=”anthropoid”]類人猿[/p2p]、すなわち、[p2p type=”post_tag” value=”orangutan”]オランウータン[/p2p]、[p2p type=”post_tag” value=”gorilla”]ゴリラ[/p2p]、[p2p type=”post_tag” value=”bonobo”]ボノボ[/p2p]、[p2p type=”post_tag” value=”chimpanzee”]チンパンジー[/p2p]の4種であり、とりわけ、好対照の種としてよく比較される後のふたつがそうでしょう。

chimpanzee
チンパンジーは、哺乳綱サル目(霊長目)ヒト科チンパンジー属に分類される類人猿である。

チンパンジーとヒトのDNAの違いは1-4%程度との報告がある。……タンパク質レベルでの相違は大きく、これら二つの生物種の相違はかつて考えられていたよりも大きい可能性がある。

複数頭の異性が含まれる20-100頭ほどの群れを形成して生活するが、普段は、主に母子関係やオス間の同盟を元に構成される小さい集団に分かれて遊動する。……群れ内の個体間には順位差があり、とくにオス間には順位を巡った争いがあることが知られる。野生下・飼育下共にオス間での連合の形成が見られる。

群れ間の関係は敵対的で、集団で他の群れの行動圏にのりこみ殺し合いになることもある。

via Wikipedia 「チンパンジー」

bonobo1
 ボノボは、動物界脊索動物門哺乳綱サル目(霊長目)ヒト科チンパンジー属に分類される類人猿。以前はピグミーチンパンジーと呼ばれた。

人間だけが行うと考えられていた正常位での性行動をボノボも行うことが発見されている。チンパンジーよりも直立二足歩行が得意で、食物を運ぶときなどに数十メートル二足で歩くことがある。チンパンジーとは異なりボノボ同士の闘争はほとんど観察されていないため平和的な動物であると考えられることが多いが、雑食性で小動物や他種のサルを狩ることはある。

個体間で緊張が高まると擬似的な交尾行動、オス同士で尻をつけあう、メス同士で性皮をこすりつけあうなどの行動により緊張をほぐす。

via Wikipedia 「ボノボ」

ウィキペディアからの引用で恐縮ですが、ヒトの生き別れの姉弟とでも云うべきボノボとチンパンジーは、その高度な社会性、ないし、政治性による複雑な社会関係の構築ぶりにより、わたしたちの文明化以前の古層の記憶や習性に光をあててくれます。重要なことは、彼らはその共感の力によって関係論的な社会行動をとれるということ、すなわち、「わたし」の前に「わたしたち」を身体的に先立たせることで、たとえば、他の個を気遣ったり、騙したりといったことができ、そして、ボノボとチンパンジーの行動の違いからはその能力を両者が真逆の方向に発達させてきたことが伺えます。次回以降に続きます。
[amazonjs asin=”4788510006″ locale=”JP” tmpl=”Small” title=”まなざしの誕生―赤ちゃん学革命”]

Chika Hitujiya

I'm Futurist, producing "Whole Earth Museum" and co-producing art project Run! Miumushi-Kun & Garapadish. This common purpose is really simple. Making you enjoy and preserving the enough requisite knowledge & things for human to survive the crisis of period.

Leave a Reply

Your email address will not be published.