最高級イヤフォンATOMIC FLOYDの革新と高価格戦略

JamesStrong
子供の頃から自分の会社を作りたいという思いがありました。以前フィリップスに勤めており、そこでヘッドホンの開発、製作や市場について学び、この市場にはプレミアムポジションが存在することに気づきました。

当時、新規のヘッドホンブランドは低価格のモデルを投入するケースが多かったのですが、ここにスタイリッシュなデザインと高機能のヘッドホンを投入することでプレミアムポジションが生まれると思いました。ただし、デザインだけ、機能だけではだめで、両方をバランスよく提供できることがポイントでした。

開発時に最も大事にしているのはコンセプトで、まず、人々がどんな風にヘッドホンを使っているか、どんな機能を期待しているかを検討します。そこから開発をはじめ、デザインを考え、その段階に来てはじめてコストを考えます。コストを出してから必要な部品をそろえるのではなく、コンセプトからスタートし、最後にコストを出しています。

via 音質とデザインの究極の両立を実現したヘッドホンブランド「ATOMIC FLOYD」–創業者に聞く“こだわり” – CNET Japan.

[p2p type=”post_tag” value=”atomic-froyd”]ATOMIC FROYD[/p2p]は、2007年に[p2p type=”post_tag” value=”james-strong”]ジェームズ・ストロング[/p2p]が創業した英国イヤフォンブランド。以前書いた記事では激しい二極化にさらされている今日のフリー・アート戦略として[p2p type=”post_tag” value=”angry-birds”]Angry Birds[/p2p]を紹介しましたが(「無料アプリゲームの覇者アングリーバードと芸術作品のコモディティ化」)、今回は真逆の高価格路線として躍進を続けている新興企業です。

かれらの社会的成功のひとつにはまず、上記の引用にあるとおり、イヤフォン、ヘッドフォン業界の蛸壺化があります。製品の低価格、低品質化が進めばすすむほど、ハイエンド製品との実質的な差を大きく生みだし、同時に、消費者のそれらに対する潜在的な欲望を強く煽ります。極少数の高みのあるがゆえにそれを真似たものが低きに溢れ、同時に、大多数の低きものこそがより高みへの欲望と創造を可能にするのですね。

もっとも、業界内におけるATOMIC FLOYDと他社製品の差がだれでもわかる程圧倒的であるとはいえ、他に良いものがまったくないというわけではありません。僕の調べられたかぎりでは、1925年創業で、1997年以来独特の装着性をもったイヤフォンを展開している[p2p type=”post_tag” value=”shure”]SHURE[/p2p]も良質の製品です。しかし、プロのミュージシャン向けということもあってか、その音は同時に無難で退屈なものでもあり、ATOMIC FROYDのような今日の良い音を聴かせると云う芸術的追求の姿勢はありません。

──イヤフォンの部品は全部社内で一から設計しているそうですね?

ええ、全部社内でこだわって設計しています。当時ほかのメーカーのイヤフォンを調べていると、既成部品を買って組み立てて、色やパッケージとかだけで違いを出そうとしている製品が実に多かったのです。そこには大したスキルは必要とされていないだろうし、われわれが理想とするイヤフォンをつくるためには部品を一つひとつ、一から設計していく必要があると考えました。最初のスケッチから最終的なコンセプトに至るまで、素材を丁寧に選び、考えぬかれたカスタマイズを施すことで、市場にふたつとして存在しない、高品質なイヤフォンをつくっています。

──例えばどういった部品ですか? ほかのメーカーとの違いは?

よく同業者から信じられないと言われるのが、非常に長い時間をかけないとつくれない部品があることです。われわれはデザインに対してとても熱意をもっていますし、製品のユーザビリティにもこだわりたいと考えています。ひとつの部品にいくら時間がかかったとしても、それによって最終的によりよい製品がつくれるのであれば、進んでそのリスクを背負う覚悟でいます。

via INTERVIEW 革新的で最高品質なイヤフォン「ATOMIC FLOYD」の美学 – Wired

ジェームス・ストロング:それはチューニングの作業です。全てのコンポーネントが自分たちのために開発したものですから、すべての要素に対してカスタム・チューンニングできるというわけです。

via 【インタビュー】Atomic Floydは、これからどこへ向かうのか – BARKS

結局、工業製品を作るのもひとの手と脳による仕事であり、同時に音もそのひとつひとつをひとの耳によって調整していかなくてはなりません。歴史的にいえば、製品と芸術を融合させる途を切り拓いたのはなんといっても[p2p type=”post_tag” value=”steve-jobs”]スティーブ・ジョブス[/p2p]であり、彼が信奉していた[p2p type=”post_tag” value=”edwin-land”]エドウィン・ハーバード・ランド[/p2p]の発明品、Polaroid Land Camera Model 95です。ヘッドフォンのなかにはATOMIC FLOYDのフラッグシップ製品より高価格なものも少なくありませんが、それらを優にうわまわる音の素晴らしさをイヤフォンで作りだしたのはこうした系譜の芸術的な強さにほかなりません。

──昔ジョニー・アイヴ(アップルのデザイナー)と同じ学校に通っていたと聞いたのですが?

……わたしは最初は建築を履修していたのですが、教え方がひどかったので1年後にインダストリアルデザインのコースに変更しました。……わたしはそこで「人々がどのようにして製品を使うのか」という貴重な学びを得ることができました。

──具体的には何を学びましたか?

例えばエレヴェーターに乗って、人々がどのような行動をとるかを観察するように教えられました。ふつう最初に乗った人は、エレヴェーターをコントロールしようとして、制御盤の側に立ちます。次に乗った人はそこからなるべく離れた位置に立ちます。3人目は前のふたりから離れていてかつなるべく扉からも離れたところに立ちます。そして少しずつその3人の間のスペースに人が埋まっていきます。

この事例は人々がどのようにして製品を使うのか、それを考えるときにとても参考になります。製品の基本的な機能を考えるだけでは不十分だということです。

──その発想は面白いですね。イヤフォンをつくるときにはどのように生かしていますか?

イヤフォンをするとき、人は音楽が聴きたいだけでなく、いまいる環境から脱したいという気持ちもあるのです。製品や環境によって人の行動は左右されます。エレヴェーターの例で言うと、もし1組ではなく、2組の制御盤を入れたらどうなるか? 扉も2つ付けたらどうなるか? このように何か製品をつくるときには、それによって人の行動がどのように変わるのか、なるべく大きな絵を描いて考えてみることをおすすめします。

via INTERVIEW 革新的で最高品質なイヤフォン「ATOMIC FLOYD」の美学 – Wired

ATOMIC FLOYDの革新にはもうひとつ、認知心理学者の[p2p type=”post_tag” value=”james-gibson”]ジェームズ・ギブソン[/p2p]に端を発する生態学的転回とでもいうべき現代的発想の厚みがあります。具体的にはこれによってほかの製品にはないかろやかな装着感が得られるわけですが、これは情報化時代特有の厚みであり、軽みであり、そしてなにより、フィジカルを越えた潜在性をもみとおす知性の極めてこまやかな[p2p type=”post_tag” value=”reality”]リアリティ[/p2p]なのですね。

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Chika Hitujiya

I'm Futurist, producing "Whole Earth Museum" and co-producing art project Run! Miumushi-Kun & Garapadish. This common purpose is really simple. Making you enjoy and preserving the enough requisite knowledge & things for human to survive the crisis of period.

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